『大型馬なので初戦は仕上がり途上の態勢は果たして本当か?』田中洋平
私が出資している馬で、
シルクレーシングのフロイデンベルクという馬がいます。
この馬は2019年9月8日の中山5R、新馬戦でデビュー。
牝馬ですが528kgと、かなりの大型馬です。
デビュー前の調教師のコメントは、以下の通り。
「大型馬ということで使いながら良くなってきそうな感じはあるものの、
能力はありそうです」
大型馬なので初戦は仕上がり途上の態勢。
使いながら良くなってきますよ、という感じのコメントですね。
これは休み明けにも言えるのですが、
大型馬は仕上がりが遅いという常識がまかり通っています。
でも本当にそうなんでしょうか?
そこで新馬戦と未勝利戦の馬体重別の成績を比べてみましょう。
◆新馬戦
馬体重 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
~399kg | 4- 4- 7- 129/ 144 | 2.8% | 5.6% | 10.4% | 36 | 72 |
400~419kg | 38- 39- 43- 502/ 622 | 6.1% | 12.4% | 19.3% | 75 | 82 |
420~439kg | 97- 103- 98-1201/1499 | 6.5% | 13.3% | 19.9% | 93 | 81 |
440~459kg | 153- 163- 178-1575/2069 | 7.4% | 15.3% | 23.9% | 73 | 78 |
460~479kg | 151- 159- 145-1451/1906 | 7.9% | 16.3% | 23.9% | 65 | 63 |
480~499kg | 111- 98- 92- 925/1226 | 9.1% | 17.0% | 24.6% | 53 | 63 |
500~519kg | 49- 41- 46- 409/ 545 | 9.0% | 16.5% | 25.0% | 62 | 58 |
520~539kg | 14- 12- 8- 113/ 147 | 9.5% | 17.7% | 23.1% | 36 | 40 |
540~ | 4- 1- 2- 23/ 30 | 13.3% | 16.7% | 23.3% | 41 | 37 |
◆未勝利戦
馬体重 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|---|---|
~399kg | 15- 16- 20- 528/ 579 | 2.6% | 5.4% | 8.8% | 29 | 55 |
400~419kg | 81- 94- 105- 1871/ 2151 | 3.8% | 8.1% | 13.0% | 54 | 59 |
420~439kg | 259- 284- 320- 3920/ 4783 | 5.4% | 11.4% | 18.0% | 62 | 70 |
440~459kg | 427- 421- 412- 4757/ 6017 | 7.1% | 14.1% | 20.9% | 72 | 72 |
460~479kg | 418- 390- 378- 4033/ 5219 | 8.0% | 15.5% | 22.7% | 78 | 70 |
480~499kg | 233- 242- 233- 2276/ 2984 | 7.8% | 15.9% | 23.7% | 64 | 64 |
500~519kg | 99- 90- 76- 977/ 1242 | 8.0% | 15.2% | 21.3% | 58 | 62 |
520~539kg | 34- 24- 20- 258/ 336 | 10.1% | 17.3% | 23.2% | 97 | 96 |
540~ | 3- 6- 7- 66/ 82 | 3.7% | 11.0% | 19.5% | 25 | 51 |
大型馬の定義が500kg以上くらいだと思いますが、
一段下の480kg以上でも、新馬戦の方が成績が良くなっています。
つまりデビュー戦だからと言って、
「大型馬は仕上がりが遅いから軽視かな」などと評論家ぶって、
評価を下げてはマズいというデータ。
なんとなく常識のように言われていることでも、
しっかり調べてみると、ただの迷信だった。
ということが、たくさんあると思います。
ちなみに480kg以上の成績を、以下にまとめてみました。
◆新馬戦
勝率9% 連対率17% 複勝率25%
単勝回収率54% 複勝回収率60%
◆未勝利戦
勝率8% 連対率16% 複勝率23%
単勝回収率64% 複勝回収率66%
多少ですが、新馬戦の方が成績が良いですね。
普通に大きな馬は強い傾向で、
たまに例外があるという感じの考えた方が正解でしょう。
ちなみにデビュー戦のフロイデンベルクは、見事に出遅れ。
直線では画面の隅っこで、かなり厳しい位置です。
そこから少しだけ脚を伸ばして、0.8秒差の6着。
出遅れた時点で、終了でしたね。
ただ直線での伸び脚を考えると、未勝利を勝ち上がるチャンスはありそう。
手塚貴久調教師に、
ゲートの猛特訓をしっかりやってもらい、次走に期待したいと思います。
投稿者プロフィール
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田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。
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