『天皇賞・秋のアーモンドアイとアエロリット』田中洋平

 

アーモンドアイの圧勝で終わった天皇賞・秋。

 

そのアーモンドアイの次走は、

12月8日に香港のシャティン競馬場で行われる香港カップになりました。

 

アッ!と言わせる異次元の走りを期待したいですね。

 

そして天皇賞・秋が終わった後にネットを見てみると、

なぜ?アエロリットの戸崎騎手はインコースを開けたのか?

 

ノーザンファームへの忖度ではないか?

 

という声もあるようですが、

あのアーモンドアイの突き抜け方は役者が違ったと思います。

 

インに閉じ込められて追い出しを待たされたとしても、

鬼脚を使って、しっかりゴール前で差し切っていたでしょう。

 

と、ついアーモンドアイの凄さに目を奪われますが、

私は3着だったアエロリットも凄い馬だと思います。

 

その理由は、逃げて3着以内に入った馬は、

過去10年の天皇賞・秋で昨年のキセキだけ。

 

キセキと言えば、

ジャパンC、大阪杯、宝塚記念を2着しているツワモノですからね。

 

さらに過去10年の天皇賞・秋で牝馬で3着以内に入ったのは、

ウォッカ、ブエナビスタ、ジェンティルドンナの3頭のみ。

 

女傑と言われた馬たちです。

 

今年を含めるとアーモンドアイとアエロリットがプラスされますが、

そうそうたる顔ぶれの中に名を連ねることになりますね。

 

またレースではサートゥルナーリアに並ばれてから、

さらに内から盛り返す根性も見せました。

 

アーモンドアイがいなければ、

現役最強牝馬と言っても過言ではない馬でしょう。

 

G1で馬券圏内にズバズバと絡んでいる、

そんなアエロリットですが、実はG1勝ちはNHKマイルだけ。

 

古馬になってからは馬券に絡むも、

G1タイトルを獲り切れていませんね。

 

そこでNHKマイルCを、

過去に牝馬がどれくらい勝っているのか?

 

NHKマイルCの第1回目から調べてみました。

 

1997年 シーキングザパール

2005年 ラインクラフト

2007年 ピンクカメオ

2016年 メジャーエンブレム

2017年 アエロリット

 

1996年~2019年の24回のうち、

牝馬が勝利しているのは5回だけ。

 

勝ち馬を掘り下げてみてみると、勝ち馬の凄さが伝わると思います。

 

◆シーキングザパール

モーリス・ド・ゲスト賞(フランスG1)1着

スプリンターズS 2着

高松宮記念 2着

安田記念 3着

 

◆ラインクラフト

秋華賞 2着

マイルCS 3着

高松宮記念 2着

 

◆ピンクカメオ

G1はオークス5着が最高

 

◆メジャーエンブレム

NHKマイルC後に故障で現役引退

 

◆アエロリット

安田記念 2着(2回)

天皇賞・秋 3着

 

上記はNHKマイルC後に、G1で馬券に絡んだ成績です。

 

ピンクカメオは17番人気からの大番狂わせだったので、

その後、G1ではあまり活躍できませんでした。

 

メジャーエンブレムは骨折ではなくて、

筋肉を傷めてしまって、そこが癖になってしまった様子。

 

普通に走れていれば、もっと活躍していた馬でしょう。

 

つまり牝馬でNHKマイルCを勝てる馬は、

その後もG1レベルで勝ち負けできる可能性が高い。

 

と言えそうです。

 

実際、アエロリットもまだチャンスがありそう。

 

ですが、ノーザン系の一口クラブの牝馬は、

6歳3月末での引退が既定路線。

 

馬体や競走成績などを考慮して伸びることもあるようですが、

目先の1億円を取りに行くより、

 

優秀な牝馬の子供を1頭1億円で売る方がお金になる。

 

競走馬の宿命ですね。

 

その引退時期を考えると、

アエロリットがG1で活躍できるのは、苦手っぽい京都のマイルCS。

 

中1週とムリなローテーションに加えて、

距離が厳しい2200mのエリザベス女王杯。

 

有馬記念は距離が無理っぽいですしね。

 

あとは距離をかなり短縮して、来年のスプリンターズS。

 

最後はクロフネ産駒ということで、

ダート1800mのチャンピオンズCという裏技もありそう。

 

どこへ向かうのか?注目したいと思います。

 

追記

有馬記念がラストランと決まったようです。

 

やはり「距離が持つのか?」と色々な意見があるようですが、

出走するからには逃避行に注目したいと思います。

 

投稿者プロフィール

田中洋平
田中洋平
田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。

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