『大阪杯を完勝のラッキーライラックは新女王になれるか?』田中洋平

 

コロナウイルスの影響で無観客で行われた2020年の大阪杯。

 

勝利したのは2番人気のラッキーライラックで、

2着には4番人気のクロノジェネシスが入りました。

 

どちらも牝馬ですが、

牝馬限定戦以外のG1で牝馬がワンツーを決めたのは、

2013年のジャパンカップ以来。

 

この時は1着に女傑ジェンティルドンナ。

 

そして強烈な追い込みを決めた7番人気のデニムアンドルビーが2着でした。

 

そもそも古馬のG1に牝馬が出走すること自体が難しく、

さらに勝ち負けに絡むとなると、かなりの実力がないとダメ。

 

これは距離が長くなるほど、際立ちます。

 

こちらのデータをご覧ください↓

 

距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
1000m~1300m 3- 7- 8- 77/ 95 3.2% 10.5% 18.9% 20 63
1400m~1600m 0- 2- 3- 38/ 43 0.0% 4.7% 11.6% 0 28
1700m~2000m 2- 2- 1- 9/ 14 14.3% 28.6% 35.7% 27 55
2100m~2400m 7- 6- 4- 26/ 43 16.3% 30.2% 39.5% 123 141
2500m~ 2- 2- 0- 27/ 31 6.5% 12.9% 12.9% 49 37

 

 

・2010~2019年

・古馬G1

・芝のレースのみ

・牝馬限定戦を除く

 

上記の条件で距離別に分けたデータです。

 

1000m~1300mゾーンのレースは、

ほぼ高松宮記念とスプリンターズSのものです。

 

出走数が95頭と他のゾーンに比べて、明らかに多いことが分かりますね。

 

そして3着内に入った数も18頭と活躍しています。

 

短距離戦なら、牝馬でも通用する。

 

ということでしょう。

 

では逆にマイル以上のG1を勝っている牝馬は?

 

ブエナビスタ(10,天皇賞秋 11,ジャパンカップ)

ジェンティルドンナ(12,ジャパンカップ 13,ジャパンカップ 14,有馬記念)

ショウナンパンドラ(15,ジャパンカップ)

マリアライト(16,宝塚記念)

アーモンドアイ(18,ジャパンカップ 19,天皇賞秋)

リスグラシュー(19,宝塚記念 19,有馬記念)

 

このように名牝と言われている馬ばかり。

 

芝の中長距離G1を牝馬が勝利するのは、かなり大変なこと。

 

だということが、このメンツを見れば分かります。

 

そしてすべて社台グループ系の牧場で生産された馬で、

ショウナンパンドラだけ、社台コーポレーション白老ファームで生産。

 

その他の5頭は、ノーザンファームの生産馬です。

 

では今回の主役ラッキーライラックですが、

この馬もやはりノーザンファーム生産馬。

 

阪神ジュベナイルフィリーズと、エリザベス女王杯も勝っていて、

歴代の女王たちに引けを取らない成績ですね。

 

社台グループ生産の牝馬は6歳春の繁殖期までに引退と決められているので、

新女王のラッキーライラックも、残すところ1年。

 

やたらと牝馬の活躍が多いジャパンカップや、

宝塚記念あたりなら、牡馬と戦っても勝ち負けできそうですね。

 

あと牝馬限定戦のヴィクトリアマイルに、

エリザベス女王杯もあるので、まだまだG1獲りのチャンスはあるでしょう。

 

同年にはあのアーモンドアイがいるので、

再激突があるのか?

 

それともノーザンファームの使い分けで、

このまま再戦なしで6歳の春を迎えるのか。

 

宿敵アーモンドアイを倒して初めて新女王と言える気もしますが、

どちらにせよ、この先の動向が楽しみになりました。

 

ラッキーライラックの今後のレース選択に注目したいと思います。

 

投稿者プロフィール

田中洋平
田中洋平
田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。

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