『良血馬ルペルカーリアの逆張りで回収率157%の作戦』田中洋平
2020年9月28日の日曜日、
中京5レースで毎年恒例のあの事件が起きました。
何だか分かりますか?
そうです。
新馬戦の良血馬、ぶっとび事件ですね。
中京5レースの1番人気は、ルペルカーリア。
父は香港G1を3勝、JRAのG1を3勝しているモーリス。
そして母は日本のオークスと、
アメリカのオークスをダブルで制しているシーザリオ。
あなたもピンっと来たでしょう。
菊花賞、ジャパンカップを制しているエピファネイア、
朝日杯フューチュリティSを勝利しているリオンディーズ、
ホープフルSと皐月賞を制しているサートゥルナーリアたちがお兄さん。
エピファネイア(父はシンボリクリスエス)
リオンディーズ(父はキングカメハメハ)
サートゥルナーリア(父はロードカナロア)
このように違う父親でG1馬を輩出している
シーザリオの能力に驚きですね。
そして今回のルペルカーリアは、父親がモーリス。
奥手の血統で初戦向きではないイメージですが、
きらびやかな兄弟のおかげで、
新馬戦から単勝1.8倍の過剰人気を背負うことになります。
そして結果は、
直線伸びを欠いて0.3秒差の4着。
いつかは未勝利を脱出できそうな雰囲気のレースぶりでしたが、
非凡さを感じさせるとは、お世辞にも言い難い内容。
大本命レベルの単勝1.8倍に、誰が祭り上げたのか?
話題性で記事を書かないと成り立たない競馬メディアであり、
その話題に注目して馬券を買った競馬ファンですね。
さすがにシーザリオの子供を酷評できるトラックマンはいないと思うので、
現時点ではちょっと足りないかな?と感じたとしても、
まずまず良い動きをしていて、初戦から勝負になると言うしかない。
この「話題性」と「本当の実力」の乖離が、
儲けのネタになることは、あなたもご存じかと思います。
例えばこの中京5レースの単勝を全点買うと、
合成オッズは「0.84」になります。
これは回収率が84%になるという意味。
払戻し金額が同じようになるように資金配分して、
単勝を買ってみましょう。
1.8倍 | 4500円 | 配当8100円 |
3.7倍 | 2200円 | 配当8140円 |
9.4倍 | 900円 | 配当8460円 |
10.4倍 | 800円 | 配当8320円 |
20.9倍 | 400円 | 配当8360円 |
29.0倍 | 300円 | 配当8700円 |
29.7倍 | 300円 | 配当8910円 |
34.6倍 | 300円 | 配当10380円 |
58.7倍 | 200円 | 配当11740円 |
269.9倍 | 100円 | 配当26990円 |
1万円分の馬券を買うとすると、資金配分は上記になります。
そして実際の結果ですが、
3番人気で単勝9.4倍の馬が勝利したので、配当は8460円。
JRAの取り分である控除があるので、
1540円の赤字ということになります。
当たり前ですが、これでは儲かりませんよね。
では次に過剰人気だったルペルカーリアの単勝を、
買わないという作戦にしてみましょう。
すると合成オッズは「1.57」になるので、
回収率が157%だということ。
では先ほどと同じように
1万円分を資金配分して、単勝を買ってみましょう。
3.7倍 | 4000円 | 配当14800円 |
9.4倍 | 1600円 | 配当15040円 |
10.4倍 | 1500円 | 配当15600円 |
20.9倍 | 800円 | 配当16720円 |
29.0倍 | 600円 | 配当17400円 |
29.7倍 | 600円 | 配当17820円 |
34.6倍 | 500円 | 配当17300円 |
58.7倍 | 300円 | 配当17610円 |
269.9倍 | 100円 | 配当26990円 |
そして実際の結果は単勝9.4倍の馬が勝利したので、
配当は15040円になります。
なんと、5040円の利益になりますね。
ルペルカーリアさえ飛んでくれれば、
日曜日の中京5レースは、お宝ザクザクの儲かるレースだったわけです。
このように新馬戦は血統だけで過剰人気することが多々あります。
初めてのレースなので、当たり前ですが前走成績がない。
だから判断材料が、調教の動き、血統、馬体くらいに限定されます。
レースでの走りが分からないのでは、正確な判断は難しいと私は思います。
実際、坂路調教ではガシガシと好時計で走るのに、
性格が臆病なせいで、レースではさっぱりという馬もいますからね。
この馬、血統背景で人気を被り過ぎだな!という場面に遭遇したら、
今回のような逆張り作戦もオモシロいと思います。
ぜひ参考にしてください。
投稿者プロフィール
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田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。
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