『1日6勝の菅原明良騎手がいよいよブレイクか!』田中洋平

 

あらためてデータを見なおしてみると、

「もうデビューして3年目になるのか!」と、

時の流れのはやさを実感。

 

なんのことでしょう?

 

そう、タレントが揃う2019年デビューの騎手たちです。

 

岩田望来(75勝)

菅原明良(64勝 東京新聞杯)

団野大成(42勝 福島牝馬S・日経新春杯)

亀田温心(31勝 キーンランドC・葵S)

斎藤新(24勝 CBC賞)

小林凌大(13勝)

 

これは2021年1月から10月末までの成績ですが、

みんな良い感じに頑張っていますね。

 

(※パワハラ問題で大変な大塚海渡騎手と、

オールドルーキーの藤井勘一郎は、ここでは割愛)

 

場慣れして成績がグッと伸びやすい3年目というのも、

もちろんあるでしょう。

 

そんな中、美浦トレセン所属の菅原明良騎手が、

先週土曜日に6勝、2着2回の固め打ち。

 

騎乗機会が9回だったので、

連対を外したのは新潟6レース、ルージュフェリークの6着だけでした。

 

まさに神懸かっていた菅原明良騎手は、

翌日の日曜日は期待され過ぎて人気を被るハメに。

 

新1, フレイムジョーカー(6位・3番人気)

新2, ウロボン(2位・1番人気)

新3, メイショウミナヅキ(6位・6番人気)

新5, ヴァンクールシチー(6位・2番人気)

新6, エーアイダンサー(1位・1番人気)

新7, ファイアダンサー(6位・2番人気)

新8, クオンタム(5位・4番人気)

新9, ハイオプターレ(8位・8番人気)

新10, ショウナンガニアン(7位・6番人気)

新11, ファンタジステラ(13位・11番人気)

新12, シャーレ(9位・7番人気)

 

これはコンピ指数順位と、当日の単勝人気。

 

騎乗機会は11回で、そのうち8回がコンピ順位以上の人気になり、

3回がコンピ指数と人気が同じと過剰人気気味。

 

菅原明良が絶好調だから、とりあえず買っておこう!

という心理の人が大勢いたということですね。

 

人間って分かりやすい。

 

そして菅原明良騎手の日曜日の成績ですが、

コンピ1位で1番人気だったエーアイダンサーで1勝だけ。

 

あとの10頭はすべて馬券にも絡めず、

着外に撃沈しています。

 

つまり土曜日の菅原明良騎手をみて馬券を買った、

という欲望まみれの人達は、みんな大損をしたということ。

 

菅原明良騎手が、

ネット掲示板で叩かれてない事を祈るのみです。

 

目立つものを後追いすると、損をするのが競馬。

 

気を付けましょう。

 

さて、2019年デビュー組については、

過去に度か記事を書いてきました。

 

その1回目が、デビューして1年目の2020年の3月。

 

▼ここから▼

 

2019年3月1日~2020年1月末までの成績をご覧ください。

 

騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
斎藤新 45- 47- 41-502/635 7.1% 14.5% 20.9% 49 62
岩田望来 39- 34- 41-468/582 6.7% 12.5% 19.6% 71 80
菅原明良 32- 37- 35-464/568 5.6% 12.1% 18.3% 70 77
団野大成 30- 31- 33-395/489 6.1% 12.5% 19.2% 61 94
藤井勘一 16- 18- 24-332/390 4.1% 8.7% 14.9% 53 72
亀田温心 15- 14- 14-375/418 3.6% 6.9% 10.3% 90 59
大塚海渡 3- 7- 7-161/178 1.7% 5.6% 9.6% 37 59
小林凌大 1- 10- 8-207/226 0.4% 4.9% 8.4% 3 62

 

 

この時点の勝ち星なら、斎藤誠調教師の子供である斎藤新騎手が一番。

 

だから2019年デビュー組でもっとも優秀なのは、

斉藤新騎手なのか?

 

いーえ、違います。

 

こちらのデータをご覧ください。

 

騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
斎藤新 29- 20- 18- 93/160 18.1% 30.6% 41.9% 69 65
岩田望来 22- 12- 10- 55/ 99 22.2% 34.3% 44.4% 100 75
団野大成 17- 13- 8- 37/ 75 22.7% 40.0% 50.7% 120 84
菅原明良 17- 12- 13- 29/ 71 23.9% 40.8% 59.2% 95 95
藤井勘一 8- 3- 9- 20/ 40 20.0% 27.5% 50.0% 97 90
亀田温心 7- 3- 5- 19/ 34 20.6% 29.4% 44.1% 99 80
小林凌大 0- 3- 1- 5/ 9 0.0% 33.3% 44.4% 0 73
大塚海渡 0- 2- 1- 3/ 6 0.0% 33.3% 50.0% 0 83

 

 

これは1~3番人気の馬に騎乗した場合の成績で、

斉藤新騎手は、1~3番人気馬の騎乗機会が160回と、抜けています。

 

だから勝ち星が多くなるのも当たり前なのですが、

成績面は他の騎手に比べてあまり良くない。

 

つまり斉藤新騎手勝てる可能性の高い馬に乗って、

思ったより勝てていない。

 

その視点からデータを見ると、美浦所属の菅原明良騎手が一番成績が優秀。

 

勝つべき時に、しっかり期待に応えて勝てている騎手。

 

これは将来有望ですね。

 

この勝つべき時に勝てている騎手、という視点から、

成績、回収率を考慮して、私が独自にランキングをつけてみました。

 

1位 菅原明良騎手

2位 団野大成騎手

3位 岩田望来騎手

4位 藤井勘一郎騎手

5位 亀田温心騎手

6位 斎藤新騎手

7位 小林凌大騎手

7位 大塚海渡騎手

 

成績面、回収率面から考えて菅原明良騎手は確実。

 

4位の藤井勘一郎騎手と、5位の亀田温心騎手はほぼ同等ですが、

複勝率の高さから藤井勘一郎騎手を上に。

 

6位の斎藤新騎手は成績面は4~5位と同じくらいですが、

やはり回収率が低すぎますね。

 

回収率が低いということは、

断トツの1番人気なんかを飛ばしているということですから、

この順位は仕方がないでしょう。

 

最後に小林凌大騎手と大塚海渡騎手は、

騎乗機会が少なすぎるので、同じ順位という評価にしました。

 

このようにパッと見の字面だけをみると、

2020年の最多勝利新人騎手賞に選ばれた斎藤新騎手が、もっとも優秀に見える。

 

でも本当は、菅原明良騎手、団野大成騎手、岩田望来騎手の3人の方が、

上手い可能性が高いということを憶えておいてください。

 

人気馬に乗った時の回収率も高いので、

積極的に狙っていくのもありですね。

 

▲ここまで▲

 

そして改めて2021年の彼らの成績です。

 

岩田望来(71勝)

菅原明良(57勝 東京新聞杯)

団野大成(40勝 福島牝馬S・日経新春杯)

亀田温心(30勝 キーンランドC・葵S)

斎藤新(24勝 CBC賞)

小林凌大(13勝)

 

いかがでしょう?

 

岩田望来騎手、菅原明良騎手、団野大成騎手の3名は、

順番が違いますが、このスリートップの実力が高いことを言い当ててました。

 

また最多勝利新人騎手賞に選ばれた斎藤新騎手の、

現在のポジションもしっかり予言。

 

しかーし!

 

「ほらね、スゴイでしょ!」と、自慢したいわけではありません。

 

このデータ分析方法を使えば、

騎手の本当の実力が分かるということを伝えたいのです。

 

1~3番人気に騎乗したときの成績、これを見比べましょう。

 

騎手のリーディングは勝利数で、ランキングされています。

 

勝利数が多い=スゴイ騎手(○)

 

勝利数が多い=上手い騎手(×)

 

もちろん勝つ確率の高い馬に乗れることも実力のうちですが、

勝利数だけでは本当の実力は測れない。

 

1~3番人気馬に騎乗するという

チャンスをきっちり活かしている人間は、その先もチャンスが巡ってくる。

 

勝負に強い騎手だとも言えるでしょう

 

騎手の本当の実力を探る時、

これからは1~3番人気の騎乗成績を比較してみてください。

 

参考になれば幸いです。

 

『2019年にデビューした新人騎手の本当の実力を大公開』田中洋平

『結論!2019年デビューの新人騎手で一番優秀なのはこの人!』田中洋平

 

投稿者プロフィール

田中洋平
田中洋平
田中洋平(日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家)
かつてはダイニングバーの経営者だったが、現在は競馬研究ひと筋。「競馬最強の法則」の馬券ブラックジャーナルコーナーにおいて、2009年に逃げ穴馬馬券術を紹介。2010年には同誌にて「コンピアナライズを追え」で巻頭でデビューを果たし、2012年にKKベストセラーズより「新コンピアナライズ・ゾーンレベル」を出版。現在は日刊スポーツ公認のコンピ指数研究家として日刊公式ウェブサイト「極ウマ・プレミアム」にてコラム、テクニカル6を連載中。また重賞特集号として日刊スポーツが発行しているタブロイド紙のコンピ予想も担当している。

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